『ジ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ』のあらすじ

黒人差別を放置し続ける時代のアメリカで、幼い頃から人種と性差別による辛い体験をしてきたビリー・ホリデイ。

けれど彼女がステージに立てば情緒豊かな歌声で人々を惹き付けた。

彼女の代表曲である｢奇妙な果実｣は、黒人差別の悲惨さを訴える曲。

アメリカ政府は、彼女が歌えば公民権運動に影響を与えると危惧する。

人気が昇る一方で、搾取され薬と酒に溺れるビリー。

心身がすり減ろうとも決して歌うことを止めなかった禁断の歌。

そんな彼女を連邦麻薬取締局が追い詰めていく…

┈┈••✼••┈┈

ヨハン・ハリによる｢麻薬と人間 100年の物語｣の中のビリーのエピソードを原作に映画化された作品。

薬とお酒の影響で44歳の若さで亡くなった天才的シンガーの壮絶な生涯を、麻薬取締局との攻防をメインに描かれています。

彼女の境遇は見ていて息苦しくもなりますが、時折訪れる穏やかな場面や彼女の歌う姿に目が離せなくなり終幕まであっという間でした。

ビリーは髪にクチナシを飾って歌う姿が有名で、彼女の楽曲のジャケットにも描かれるほど。もちろん映画の中でも再現されています。

ブロードウェイで有名なシルクフラワーショップ｢Dulkin & Derrick｣のクチナシのコサージュを使用しているとのこと。

白い花弁が顔を彩るように重ねられたコサージュは、ビリーの肌色をより魅力的にしています。

実際のビリーは本物のクチナシを飾っていたようです。

あの香りに包まれて歌うビリーは、どんな気持ちだったのでしょうか…

2023.07